「インド、州分離運動の活発化」

「ジェイ・テランガナ!ジェイ・テランガナ!(テランガナ万歳!)」

インド南東部に位置するアンドラ・プラデシュ州。12月10日、州都ハイドラバード市内のオスマニア大学に集まった数千人のテランガナ支持者たちは歓喜に沸いた。州の面積、人口ともほぼ半分を占めるテランガナ地域の住民達が、50年近くにわたって要求してきた独立を勝ち取ったのだ。

テランガナ地域は、1956年、 インド独立数年後の中央政府による州境決定の際、地域住民の意向に反してアンドラ・プラディシュ州の一部として合併された。以来テランガナの住民達は、隣のアンドラ地域に比べての地域・教育発展の遅れや、政府機関での雇用不平等などに不満を募らせていたが、1969年、オスマニア大学での学生を中心としたデモでこの不満が爆発。暴動は近郊都市にも飛び火して300人以上の死者をだす大騒乱となった。

このような背景をもつテランガナ地域の住民達は「自らの州政府を設立しないかぎり、我々の生活向上はありえない」として、長年のあいだ独立州を要求し続けてきた。

今月第一週より、テランガナを代表する政党のひとつテランガナ・ラシュトラ・サミティ(TRS)のリーダーであるK.チャンドラシェカー・ラオ(KCR)が、州分離を求めて死を覚悟したハンガーストライキを敢行。翌週にはテランガナ支持の学生や地域住民を中心とした連日の抗議デモで2千人を超える逮捕者をだし、ハイドラバードは混乱に陥った。

ストライキ11日目、ついにインド中央政府はテランガナ独立州を認める決定を下し、州分離に向けての政治的プロセスをすみやかに始めると発表。KCRが押し切ったかたちでテランガナの勝利となった。

しかし翌日には州の分離に反対する州議員120名以上が続々と辞職を表明し、テランガナ地域外の住民達による暴動が多発する事態となった。さらに今度は反分離の議員がハンガーストライキにはいるなど、中央政府による独立州認可の決定から5日経つ現在も、州内の混乱は続いている状態だ。

現在インド国内では、9地域で独立州を求める運動が起こっているが、今回のテランガナ分離によって他地域の運動に勢いがつく可能性が高まった。誓い将来各地でデモやストライキが多発するような事態になれば、政府としても収集に相当手を焼くことになるだろう。

昨年の金融危機からいち早く回復し、順調な経済成長を続けているインドだが、最近ではパナソニックやドコモなど、家電や通信、金融関係の日本企業もこの国において本格的に事業を進めだしている。

各地の州分離運動が活発化し、治安の問題が出てくると、こういった外国資本の進出にも影響がでてくることは否定できない。中央政府にとっても、テランガナの州分割運動は無視することのできない大問題に発展しつつある。